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妊娠糖尿病(GDM)のスクリーニング
妊娠糖尿病の方が以前にくらべて増加してきたと、みみりん自身も実感しています。
25歳未満の妊娠糖尿病の発症頻度は横ばいであるのに対して25〜35歳までの女性では25歳未満に比べて約5倍、35歳以上では役8倍に増加するとされています。
妊娠出産の高齢化に比例して増加していると思われます。
合併症も多くみられるため注意していただきたいですね。
スクリーニングは全妊婦さんに妊娠中、初期、中期と2回実施します。
妊娠初期
随時血糖測定
95mg/dL未満
問題なし。→次回妊娠中期(24〜28週ごろ)で再度測定
95mg/dL以上
陰性
→次回妊娠中期(24〜28週ごろ)で再度測定
陽性
→管理
妊娠中期
妊娠初期と同じ扱い。
妊娠初期または中期で管理となった場合は産後6〜12週のうちに再度75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)を実施を実施し糖尿病か妊娠性のものかを見極める必要があります。
産後は問題なくとも将来糖尿病になる可能性が高いため注意していく必要があります。
*随時血糖200r/dL以上の時は、妊娠時に発見された明らかな糖尿病の有無を検討します。
*負荷前血糖値 126r/dL以上・2時間血糖値 200r/dL以上の時は、妊娠時に発見された明らかな糖尿病の有無を検討します。
合併症
小児期に1型糖尿病を発症していた糖尿病合併妊婦は、妊娠により糖尿病が増悪する可能性がある。
そのほか
妊娠中の合併症として
- 流産・早産
- 妊娠高血圧症候群(PIH)
- 胎児機能不全
- 胎児死亡
- 先天奇形
- 羊水過多症
- 尿路感染症
分娩時の合併症として
- 巨大児のために肩甲難産・腕神経叢麻痺
胎児の合併症として
- 先天奇形
- 過剰発育児・巨大児
- 子宮内発育遅延
- 胎児仮死
- 子宮内胎児死亡
新生児の合併症として
- 新生児低血糖
- 高ビリルビン血症(黄疸)
- 呼吸障害
- 低カルシウム血症
- 多血症
- 肥厚性心筋炎
妊娠糖尿病の診断基準
妊娠糖尿病
糖尿病の診断を受けていない人が妊娠中の75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)において
次の基準の1点以上を妊娠糖尿病と診断される。
- @空腹時血糖値 92r/dL以上
- A1時間血糖値 180r/dL以上
- B2時間血糖値 153r/dL以上
妊娠中の明らかな糖尿病
次のいずれかを満たした場合に診断する。
注意
妊娠中の明らかな糖尿病には、妊娠前に見逃されていた糖尿病と、妊娠中の糖代謝の変化の影響を受けた糖代謝異常、および妊娠中に発症した1型糖尿病が含まれる。
いずれも分娩後に診断の再確認が必要!
- @空腹時血糖値 126r/dL以上
- AHbA1c値 6.5%以上
*随時血糖値200r/dL以上あるいは75gOGTTで2時間値が200r/dL以上の場合は、妊娠中の明らかな糖尿病の存在を念頭に置き、@またはAの基準を満たすかっどうかを確認する。
注意
妊娠中、とくに妊娠後期は妊娠による生理的なインスリン拮抗性の増大を反映して糖負荷血糖値は非妊時よりも高値を示す。そのため随時血糖値や75gOGTT負荷後血糖値は非妊時の糖尿病診断基準をそのままあてはじめることができない。
糖尿病合併妊娠
- @妊娠前にすでに診断されている糖尿病
- A確実な糖尿病網膜症があるもの
糖尿病の診断基準
@随時血糖値 200r/dL以上
A早期空腹時血糖 126r/dL以上
BOGTT 2時間値 200r/dL以上
CHbA1c 6.5%以上
初回検査
初回検査で上記@ABCいずれかも満たす糖尿病型→糖尿病
初回検査で血糖値のみ糖尿病型
→糖尿病の典型的症状 確実な糖尿病網膜症の症状いずれかある→糖尿病
糖尿病の典型的症状 確実な糖尿病網膜症の症状いずれもなし→再検査
1か月以内に再検査
- 上記@ABCいずれかも満たす糖尿病型→糖尿病
- 血糖値のみ糖尿病型→糖尿病
- HbA1c のみ糖尿病型→糖尿病
- いずれもあてはまらず →糖尿病疑い
初回検査でHbA1c のみ糖尿病型
→再検査
1か月以内に再検査
- 上記@ABCいずれかも満たす糖尿病型→糖尿病
- 血糖値のみ糖尿病型→糖尿病
- HbA1c のみ糖尿病型→糖尿病疑い
- いずれもあてはまらず →糖尿病疑い
再検査で糖尿病疑いの場合は3〜6か月以内に血糖値・HbA1cを再検査
糖尿病の妊娠〜産後の管理
糖尿病と診断されている方は、妊娠前からしっかり血糖コントロールを行い達成したうえでの妊娠が基本となります。
基本的に薬物療法の場合、経口血糖降下剤は使用せずインスリン療法が基本となります。
こまめに検査を実施していきます。
妊娠前半期
食事療法が中心となりなるべくACE阻害薬・ARB・スタチン・フィブラートなど薬物療法はしません。
ただし、コントロール不良な場合インスリン療法を実施します。
妊娠後半期
血糖コントロールが難しくなってくる時期です。
インスリン療法が開始されることが多いでしょう。
分娩中
コントロールが難しい。こまめにチェックし必要あればインスリン療法実施。
産後
インスリン需要量が低下するためインスリン投与量を減らすことが多いでしょう。
妊娠中の血糖管理指標
日本糖尿病学会
- 食前血糖値 70−100mg/dL
- 食後2時間血糖値 <120mg/dL
- グリコアルブミン(GA) <15.8%
- HbA1c 5.8%(参考所見)
日本産婦人科学会
- 空腹時血糖値 95mg/dL以下
- 食前血糖値 100mg/dL以下
- 食後2時間血糖値 120mg/dL以下
- HbA1c 6.2%以下
米国糖尿病学会(ADA)
- 食前血糖値 95mg/dL以下
- 食後1時間血糖値 140mg/dL以下
- 食後2時間血糖値 120mg/dL以下
妊娠糖尿病(GDM)の食事指導
摂取目標カロリー
BMI 25未満の場合、標準体重×30+200Kcal
BMI 25以上の場合、標準体重×30Kcal
うちわけ
糖質 総エネルギー量の50〜60%
タンパク質 総エネルギー量の15〜20%
脂質 総エネルギー量の20〜25%
エネルギーの半分をを糖質でとる理由は胎児のエネルギー源がブドウ糖だからです。
ブドウ糖が摂取されないと、胎児の低体重や発育不全、ママのブドウ糖が足りないことでケトン体の産生がおこり赤ちゃんへの精神的な影響を及ぼすといわれています。
糖質を摂取することで血糖値があがりすぎる場合は、糖質だけ半分摂取し2時間後に残りを摂取するという6分割食が有効です。