多胎について

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多胎について

多胎妊娠とは？

妊婦さんが、同時に２人以上の胎児を身ごもっている状態です。

誘発剤を使わない場合の、双子の頻度は欧米で８０分の１，３つ子は１６００分の１，４つ子は５１２０００分の１で、

日本ではそれよりも少なく、双子の頻度は100分の１，３つ子は10００分の１，４つ子は1000０００分の１といわれています。

妊娠・育児ってひとりでも大変なのにその倍以上で、２人以上生んだことのない私には大変さははかりしることができません。

でも、ちょっと素敵な文を見つけました。

双子、三つ子の母になること。

それは想像以上の忙しさと、予想もしなかった困難に出会うこと・・・。

双子、三つ子の母になること。

それは想像以上の喜び、予想もしなかった幸福に出会うこと・・・。

（ツインキッズクラブ編：私たちの双子育て、ビネルバ出版より）

助産師でもなぜか、出血が多いお産にあたる、とかトラブルがあるお産が多いとかいろいろあるんですが、私の場合は、幸せなことに、なぜか、私は双子ちゃんのお産を担当することが多いんです。

それも、みんな元気に生まれてくれて、私は幸せをたくさんいただいてきました。

だから、自分は双子ちゃんの出産、育児の経験はないんですが、他人事には思えないですね。

一卵性と二卵性・・卵性による分類

●　一卵性　　●	●　二卵性　　●
ママの卵子１個とパパの精子１個が受精した後、その１個の受精卵が二つに分離て、それぞれ育って双子になった場合	２個の卵子にそれぞれ別の精子が受精して双子になった場合
遺伝性なし	遺伝性あり
年齢と関係なし	高年経産婦に多い
日本ではこちらが多い	欧米ではこちらが多い
必ず同性	同性または異性
胎盤は１個	胎盤は１～２個

膜性による分類はこちら

妊娠中起こりやすい症状・合併症

単胎妊娠に比べて流産・早産・貧血・妊娠高血圧症候群などの合併症が多くなります。
そのため、異常の早期発見のためにも受診回数は単胎妊娠に比べて多くなるでしょう。
また、後期には入院の可能性も多くなるでしょう。

流、早産

子宮が伸びきって緊張性が高まり、早くからおなかが頻繁にはったり、陣痛がおこりやすく、そのため流早産になりやすいです。
予防は安静と休養が一番です。
張り止めの薬も早期から処方されることが多いでしょう。

実際は・・
早くから入院となるケースが多いです。安静・目的の場合や張り止めの点滴使用など

はり止めのお薬・・ウテメリン・ルテオニン内服や点滴が主流です。

効果の強い薬ですが、内服点滴ししばらくすると動悸、手の震えなどの副作用が出てきます。

ただし破水しては取り返しがつきません。ママは大変ですが赤ちゃんのために頑張りましょう。

３胎以上では」頸管縫縮術が行われることが多いでしょう。

妊娠性高血圧症候群

単胎に比べると、６倍以上の発生頻度です。
母体への全身的な過負荷や子宮筋の過伸展が原因です。
２人分・３人分・・と食べ過ぎると体重も増えすぎ妊娠性高血圧症候群になりやすいです。

普段から塩分、間食を控えましょう。

実際は・・
重症まではいかなくても、むくみやすいです。
また、後期赤ちゃんが大きくなってくる時期には体への負担が強いため血圧上昇も見られるようになるでしょう。

HELLP症候群

貧血

単胎に比べておなかの赤ちゃん分鉄に需要が多いです。。双子なら２倍必要！

鉄分をしっかり摂取しましょう。

実際は・・
ほとんどの方が貧血になってます。鉄剤注射や内服することがほとんどです。

羊水過多

羊水量が８00ml以上になった場合を羊水過多といいます。

羊水は胎児の尿や、胎盤の羊膜からの分泌物がおもな成分です。
多胎だと、その分羊膜も大きくなり循環する羊水も多くなります。

羊水が多くなると、その分、子宮が緊張して妊娠中おなかが張りやすくなったり、逆にお産の時、子宮の筋肉が伸びすぎて、微弱陣痛になりやすくなったりします。

早期から腰痛、静脈瘤ができやすい

これは、さけられないみたいです。
腰がもともと弱い人は、重いものを持ったり、無理な姿勢、ずっと同じ姿勢をとらないように気をつけましょう。

IUGR　、ＦＧＲ　(子宮内胎児発育遅延）

妊娠性高血圧症候群が強くなると、ママの胎盤の機能が悪くなりママからの栄養がいきわたりにくくなり、赤ちゃんの成長が悪くなってしまいます。

多胎　分娩時に起こりやすい合併症

微弱陣痛

子宮の過度伸展により微弱陣痛をおこし、遷延分娩となりやすいです。

病院では促進剤を使うことが多いでしょう。

双胎間輸血症候群

一卵性双生児の場合、赤ちゃんの血管が胎盤などを通してて均等にながれているのが、その血液の流れが、何らかの原因でアンバランスになってしまった時の状態を双胎間輸血症候群といいます。

このような状態が長く続くと、片方の赤ちゃんは多血症になり、もう片方の赤ちゃんは血液が足りずに貧血になってしまいます。こうなると、どちらの赤ちゃんも子宮の中で状態が悪くなる恐れがあります。

弛緩性出血

子宮の過度伸展によりお産後子宮が元にもどりにくく、だらだら出血が続きます。
対策として、2人出産後、病院では、収縮剤の筋肉注射や点滴が行われるケースが多いでしょう。

早産

どうしても早く生まれることが多いでしょう。

低出生体重

２５００ｇ以下の子が多いでしょう。

１子ちゃん出産後、子宮内圧が下がるために２子ちゃんの胎盤早期剥離、陣痛消失がおこりやすいです。

・・・早くお産にもっていったり、緊急帝王切開になることがります。

体位異常

頭位ー頭位できていても一児分娩後骨盤位に代わることも多いでしょう。
その際、緊急に帝王切開となることもあるでしょう。

多胎のお産の方法

DD双胎（二絨毛膜二羊膜双胎）であれば経腟分娩も可能です。
ただし、最近は帝王切開が多いでしょう。

DD双胎（二絨毛膜二羊膜双胎）であるという条件で・・・
２人が頭位・・

経膣分娩になります。
ただし、１人目が生まれた後、まれに、ぐるっと、回転することがあるので、なった向きにより横位なら緊急帝王切開になることもあります。また、前回帝王切開の場合も帝王切開を勧められることが多いでしょう。

頭位-骨盤位・・

下になっている子のほうが頭位であれば経膣分娩になることがあります。

ただし、赤ちゃんの体重が、骨盤位の子のほうがはるかに大きいなどいろいろリスクがある場合は帝王切開になることもあります。

骨盤位-骨盤位・・

予定帝王切開

分娩時の時期

37週前後のお産が安全といわれています。

赤ちゃんやママの状態にもよりますが、予定帝王切開などは37週前後が多いでしょう。

また、三つ子の場合は35週前後といわれています。

分娩の進み方

１人目が生まれるまでは単胎の子のお産と同じ経過です。ただし微弱陣痛などにはなりやすいでしょう。

１人生まれた後、おへそを切ります。問題なければ普通の子と同じです。

その後次の子がどちらを向いて出てくるか確認し、経膣分娩できそうなら、２人目の子の人工破膜をします。

その間赤ちゃんの心音が下がって（ゆっくりになる＝元気がなくなる、胎盤がはがれてきている可能性がある）場合酸素マスクを着用したり、陣痛が弱くなったりした場合は促進剤など使用して早く生まれる方向にもっていったりすることもあります。

このときまれに緊急帝王切開にきりかわることもあります。

産前産後休暇・出産手当金・出産育児一時金

妊娠４ヶ月（８５日）から流産・死産した場合でも産前産後休暇・出産手当金・出産育児一時金が利用できます。

産前産後休暇

多胎の場合14週間以内に出産が予定される場合に産前休暇がとれます。

予定日が遅れた場合には、その予定日から出産当日までは産前休暇にふくまれます
(つまり、遅れたほうが得？でも、遅れることはまったくないに近いです）

産後休暇は８週間で単胎の子と同じです。
(短すぎますよね～)

出産育児一時金　

被保険者または被扶養者である妻が妊娠４ヶ月（８５日）からの分娩(流産、死産を含む）につき、1児につき42万円支給されます。（在胎週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度加算対象出産ではない場合は、39万円）

社会保険に1年以上加入していることが条件ですが、退職しても出産6ヶ月前まで働いていた場合ももらえます。

出産手当金　

社会保険に1年以上加入していて産休中に給料が出ない事が条件でもらえます。
あくまでも、予定日ではなく出産日。
支給額は給料を日割りした金額の３分の２の98日分。
パートやバイトでも条件をクリアしていれば資格があります。国民保険加入者は残念ながら対象にはなりません。勤務先から用紙をもらっておきましょう。