HTLV-1(Human T-cell Leukemia Virus Type 1〜ヒトT細胞白血病ウイルス) とは?

 
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HTLV-1(Human T-cell Leukemia Virus Type 1〜ヒトT細胞白血病ウイルス) とは?

妊娠中におこなう検査で項目の1つにあります。

 

妊娠30週までに血液検査を行ってHTLV-1ウイルスの抗体があるかを調べます。

 

2010年度より公費負担により検査できるようになりました。

 

以前では、検査する病院としない病院があり、はじめてみみにされる経産婦さんもいらっしゃるかもしれませんね。

 

今までは、感染防止やキャリアの方へのフォローがあまりなされていなかったような気がします。

 

ただし、2006年2007年の調査で全国にキャリアの方が108万人、また以前は九州、沖縄の方がキャリアの大半を占めていたのが全国に拡散していることが明らかとなりました。

 

2011年より各都道府県でHTLV-1母子感染対策協議会が設置されてきています。

 

そのため、全国で母子感染対策が行われるようになってきました。

 

現場にいる立場としても、みみりんの勤務している病院では以前より検査を行っていましたが、里帰り出産で来られる方には未検査の方が多くいらっしゃいました。検査されていない病院も多いと感じており不安を感じていましたので、全員検査となりキャリアとなるお子さんが減るかもしれないという点では本当に良かったと思います。

 

ただし、はじめて陽性と宣告され、妊娠の喜びもつかの間、不安に陥って悩まれる方も出てくるかと思います。

 

今は、いろいろな機関でそういう方への助言アドバイスなど行っています。

 

もし、不安心配なことがありましたら、病院のスタッフはもちろん、保健所や女性健康支援センターなどでも助言やカウンセリングを行っていますので利用してください。

 

くれぐれもおひとりで悩まないでくださいね。

 

HTLV-1(Human T-cell Leukemia Virus Type 1〜ヒトT細胞白血病ウイルス) とは?

 

HTLV-1とは、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type 1)の略称で、1981年に日沼らにより成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして発見されました。

 

このウイルスはいったん感染すると、自覚症状はありませんが、生涯ウイルスを持ち続けます。これをキャリアといいます。

 

キャリアの数は2007年には日本で108万人といわれています。

 

キャリアのうち、40歳過ぎたころから ATLや HAM HUを発病するといわれています(平均発症年数58歳)

 

ATL〜成人T細胞白血病 を発病するのは1000人に一人   (生涯発病率5%)

 

HAM〜HTLV-1関連脊髄症 を発病するのは20000人に一人  (生涯発病率0.25%)

 

HU〜HTLV-1関連ぶどう膜炎は?

 

といわれているとおり、約95%は発病しません。

 

キャリアだからといっても必ず発病するとは限りません。

 

HTLV-1の感染経路

 

主な感染経路は母乳からの感染と言われており、そのほかに性行為を介した夫婦間感染、輸血感染などがあげられています。

 

輸血は現在検査されていますので問題ありません。

 

性行為を介した夫婦間感染では 、精液中に含まれるHTLV-1に感染したTリンパ球が主な原因です。(そのため妻から夫への感染はかなり少ないといわれています)。

 

特に長期間にわたって性交渉が続く夫婦間での感染が多いと言われていますが、どのくらいの頻度なら感染が起こるかなど、まだはっきりとわかっていません。性交渉による感染を防ぐにはコンドームの使用が有効です。

 

HTLV-1の検査の方法

 

1、ほかの感染症の検査同様、血液検査を行います。

 

ー陰性の場合、問題ありません。

 

ー陽性とでても確定ではありません。2〜3割が真の陽性と言われています。

 

2、1が陽性の場合、ウエスタンブロット法(WB法)という検査をさらに行います。

 

ーそれで陰性なら問題ありません。

 

ー陽性であれば母子感染が起こる可能性があります。

 

ー残りの1〜2割が判定保留と出ることもあります。

 

3、2が判定保留の場合、自費でPCR法で検査することができます。ただし、高価な検査です。

 

厚生労働研究 板橋班『HTLV-1 母子感染予防に関する研究:HTLV-1 抗体陽性妊婦からの出生児のコホート研究』では無料で検査を行っています。

 

検査できる病院には限られていますがぜひ検査されることをお勧めします。

 

赤ちゃんの栄養方法の選択について

 

母乳を介する感染は、母乳中のリンパ球に存在するHTLV-1 ウイルスが直接児に吸収さ れることで感染が成立します。したがって、母乳を飲まさない、あるいは母乳を一度冷凍 保存してリンパ球を死滅させることで母乳を介する感染の危険性を回避することが可能で す。

 

みみりんの今までの経験では、ほとんどの方が完全人工栄養になっています。これは最近まで完全人工栄養を主にすすめられていた流れもあるかと思います。

 

【完全人工栄養】

 

最初から、ミルク栄養のみにする方法。ただし、それでも、約3%に感染が見られます。これは母乳感染以外のルートで感染すると考えられます。(出生前や分娩時)

 

【凍結母乳栄養】

 

感染したリンパ球が、感染していないリンパ球に接触することで感染します。 感染は生きたリンパ球同士でないと感染しないので、母乳を凍らせることにより母乳中のリンパ球が死滅し感染を防ぎます。 ただし、人工乳と同等に感染を防ぐ可能性があるが、データ数が少なく確実でないとわれています。

 

注意点

 

・ほかの食品に接触しないようにジップロップやビニール袋に入れましょう。24 時間以上冷凍(−18度)してから使いましょう。

 

・しっかり凍らせないとHTLV-1 感染細胞が死滅しない可能性が高いのでなるべく開閉は最低限にし、しっかり凍っているか確認しましょう。

 

・解凍は20 分以内にしましょう。

 

・1度解凍したものは4時間以内に使い切りましょう。

 

【3 か月以下の直接母乳栄養】

 

母体血中には感染を中和する抗体が含まれています。

 

これらの抗体は胎盤を通して胎児に移行するため生まれたとき母体と同量の感染中和抗体を持っています。

 

出生後3か月ごろまでは、中和抗体も存在するため母子感染が生じにくいといわれています。

 

ただし、一度開始した母乳栄養を短期で確実に止めることが困難な場合がある、という難点があり、3 か月で母乳を確実に中止できなかった場合には、感染率が上がることになります。

 

注意点

 

3か月に入ってすぐやめるのは赤ちゃんにもストレスです。2か月過ぎた頃より、搾乳して哺乳瓶で飲ませる練習やミルクに慣れさせる練習をしていきましょう。

 

よく出る方は、卒乳と断乳の方法を参考にしてください。張りが治まるには時間を要するかもしれません。助産師に相談するといいでしょう。

 

赤ちゃんのチェック しましょう

 

新生児期は、ママからの抗体が移行しているため正しい結果が得られません。

 

3歳過ぎてから検査しましょう。

 

そのほか

 

・HTLV-1は、ウイルスに感染した細胞が生きたまま、細胞ごと体内に入らない限り感染することはありません。

 

HTLV-1感染Tリンパ球は、乾燥、熱、洗剤で簡単に死ぬため、水、衣服、食器、寝具などからうつることはありません。日常生活上うつることはありません。。

 

・HTLV-1に感染していても、妊娠や分娩への影響、また赤ちゃんの発育や奇形の原因になるものではありません。

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