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妊娠と風疹
風疹とは?
風疹は三日はしかといわれ、風疹ウイルスによっておこる病気で、空気感染で拡がります。
幼児期から学童期に多くあまり深刻な病気ではないのですが、妊娠中早い時期にに罹患すると赤ちゃんに先天性風疹症候群をおこすといわれています。
(症状)
はしかに似た発疹が顔や首から始まり、さらに身体中に拡がります。
発疹は2、3日で後を残さず消えてしまいます。
また、全身の、特に首や耳の後ろのリンパ節がはれるのが特徴です。感染しても20〜30%は症状がみられません。
うつる時期は発疹がでる一週間前から、発疹が出てからの二週間です。
先天性風疹症候群とは
妊娠した女性が、風疹に対する抗体をもってないまま、初感染で風疹ウイルスに罹患して、しかも妊娠初期の胎児の器管形成が体内で行われているときに、風疹ウイルスによって胎児に先天異常をもたらす疾患です。
妊娠4週目までに罹患した場合50パーセント以上(つまり受精から考えて)
5−8週で35パーセント
9−12週で15パーセント
13−16週で8パーセント
20週以降はほとんど影響はないと言われています。
(症状)
1) 先天性白内障、緑内障、先天性心疾患
感音性難聴・・・・一生における、生まれた時からの両方高度難聴の場合が多い。
2) 網膜症・骨端発育障害 ・低出産時体重 ・血小板減少性紫斑病(新生児) ・肝障害
1から2項目以上、または1)から1つと、2)から2項目以上
または1)の先天性心疾患、 感音性難聴 と2)の 網膜症
風疹の予防接種について
風疹は、終生免疫といって、小さい頃に風疹にかかると風疹に対する抗体(抵抗力)ができて、再感染をすることはほとんどありません。かかっていない方は予防接種しましょう!!
風疹ワクチン0.5mlを皮下に1回接種すると,95%の人が免疫を獲得します。持続期間についておよそ15年経っても抗体価はあまり低下していないという成績が得られていますが,やはり周囲に風しんの流行がないと抗体価は次第に下がってきます。
しかし抗体が下がっていても、ほとんどの場合感染をしないといわれています。
しかも副作用は小児の場合ほとんどないか現れたとしても軽微です。
◎過去に風疹になったかどうかよくわからない場合でも接種を受けても差し支えありません。
風疹といわれていたことがあっても、確定的でない場合は接種を受けるべきです。また、その方がより確実に免疫がつきます。
◎上のお子さんの時に風疹の抗体が少ないと言われた方は、次の子供さんを妊娠されるまでの間に予防接種を済ませてください。
二人目までは抗体あったのに3人目は抗体が無くなっていて胎児感染した人もいます。
妊娠中の予防接種について
このワクチンは生ワクチン(毒性を極力弱くして作ったワクチン)なので妊娠の予定があったり、妊娠してからでは接種できません。
接種後、通常では2〜3週間程度、長くても1か月以内には体内から風疹ワクチン・ウイルスは消失します。その後の妊娠については問題なしとして良いかもしれませんが、安全を見越して日本では「接種後2か月間」妊娠をしないように指導しています(アメリカなどでは3か月間)。
そのため、「接種前1か月+接種後2か月=合計接種前後3か月」の避妊が必要となります。
できれば、パパにも予防接種をしていただくといいと思います。
抗体があるかわからない場合、抗体検査をして陰性であれば予防接種ですが、
検査をせずに予防接種をしてもOKです。実は抗体があったとしても問題はありません。
みみりんは後者をおすすめしています。抗体があった場合はいいですがない場合は2回受診が必要ですしその分の費用や、それ以上に予防接種するまでに時間を費やしていしまいます。
なお、妊娠中のパパには風疹の予防接種助成制度がある自治体もありますので確認しておきましょう!!
風疹の抗体価について
風疹の抗体価において、
8倍未満だと抗体はない・・・妊娠中に風疹に感染すると、時期によっては胎児に問題のおこる可能性がある。初期には風疹にかからないように流行してるところへ行かないようにしましょう。
16倍抗体が少ない・・・初期には風疹にかからないように流行してるところへ行かないようにしましょう。
32倍以上なら抗体があるとしています・・・風疹にかかったり、それによって胎児に問題がおこる危険はきわめて少ないといえる。(かなり前に風疹の感染があったと判断される)
256倍以上の場合・・・比較的最近の感染の可能性が考えられます。この場合は再検査して抗体価が上昇するか、IgMという抗体を調べるなどの精密検査を行います。以前に風疹にかかったことがあれば心配ないでしょう。
母体の風疹の感染が明らかになった場合、妊娠初期に絨毛細胞をとり、胎児に風疹感染が成立しているかを検査することもできるようになりました。